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Lee-Byung-hun addicted

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雲の上万人の恋人に出逢う 番外編

「やっぱりこの間から妙についてると思ったのよ~。息子が北海道でサインもらってきたじゃない?その上今度の旅行なんてダブルブッキングで三席ともエコノミーからビジネスクラスに格上げだもんね。」ルビーは興奮しながら言った。
「この飛行機ファーストないしね。絶対これは『縁』よっ!いやぁ~神様~!気が効きすぎ~」いつも冷静なlotisrubyも早口でまくし立てた。
「えっ、ちょっと待ってよ。今トイレ行ったんだよね。てぇ~ことは・・。」とmimira。
「戻ってくる!」四人は顔を見合わせ声を揃えてそう叫んだ。
「□※×△■・・・」
深夜の飛行機内。興奮のあまり声を上げる四人に誰かが咳払いをした。
ばつの悪そうな四人。
「karinさんは最初からこの席の予約なんですか?」lotusrubyが小声で尋ねた。
「実は地元の商店街の福引で特賞が当たって最初はエコノミーでペア招待だったんですけどあっちの手違いでビジネスチケット一枚になっちゃってたんですよ。家庭内の血みどろの争いを経て私は今ここにいるというわけです。」少し興奮したようにkarinは説明した。
「やっぱり、これは『縁』よ。私たちもそうだけどイ・ビョンホンとの縁」とmimira。
「イ・ビョンホンとの縁?」三人は目を輝かせて復唱した。
「きっとこれで終わりってことはないよね。」とルビー。
「もし、最初の運命はここまでだったとしても・・・」
「運命は自分で変えられる」四人はそうつぶやいた。
望むなら運命は自分達の手で変えることが出来るものだということを彼女たちは『彼』から教えてもらっていた。
彼女たちは彼が戻ってくるのをひたすら待った。


「戻ってこないじゃない」ルビーが半べそをかく。
「悪いものでも食べたんかなぁ」karinが真剣な顔で言った。
「あんな綺麗な顔でも・・・そりゃそうだ。」妙なところで納得する一同。
「それにしても遅すぎない?」不安げにlotusrubyがつぶやいた。

その頃彼は食い入るように彼女たちが見つめる通路と反対側の通路を匍匐前進していた。「ついてこれるかな?」彼はいたずら小僧のように前進しながら笑ってそうつぶやくと何事もなかったかのように席に戻った。
「遅かったですね」とギジュ。
「ちょっと遠回りしてきたものですから」ビョンホンは服の汚れをはたきながら悪戯っぽく笑った。

「おかしい。絶対。ここじゃないところから席に戻ったんだよ。」
「あっちの通路誰か見てた?」
「見てたけど通らなかったような気がする」
「どうする?行ってみる?」とlotusrubyが言った。
「でもさぁ~、何かきっかけがないと近づきにくいよね。」とmimira。
「あっ!これどうよ。もしかしたら覚えてるかもしれない。」ルビーはそういうと息子が先日スキー場でもらってきた手形を取り出した。
「おおおお~。使えるかも。お礼に挨拶に来ましたとか言えばOKかもよ。」
「mimiraさんとlotusrubyさんの分もあるし。Karinさん、何か彼のファンだってわかるものあります?」
「これ、どうでしょう。」karinはおもむろに彼の顔が大きくプリントされたTシャツを取り出した。
「おおお・・。いつも着ていらっしゃるんですか?」興味津々の一同。
「さすがに町は歩きませんが着て寝てます。」恥ずかしそうにkarinはうつむいた。
「いい夢見られそうですね。」に~っと笑う一同。
「じゃ、作戦開始しますかっ」


彼女たちの席から彼の席と思われる方に向かうには途中にキャビンアテンダントが待機するギャレーがあった。
「あそこが難所ね。」つぶやくlotusruby。
案の定薄暗くなった機内を4人揃って移動する不自然な様子を見てひとりのキャビンアテンダントが通路に立ちふさがって尋ねた。
「お客様、何かお困りでいらっしゃいますか」
「いえ、別に。あの~ちょっとそちらに用がありまして・・・」
「もう、遅いので他のお客様もお休みですからお席にお戻り願いませんか」
「いや、その・・・実は知り合いの方がそちらにいらっしゃってご挨拶に伺ったんです。」
Karinがもっともらしく言い切った。
一同ひるむ。
「どちらのお客様でしょうか。」なかなか手ごわい。
「イ・ビョンホンさんなんですが・・」ルビーがそういうと
キャビンアテンダントは困った顔をした。
「ファンの方でよくそうおっしゃる方がいらっしゃると伺ってます。申し訳ございませんがお通しするわけには参りません。」彼女は丁寧ながらはっきりと断った。
「そこをなんとか・・・」食い下がるmimira.
彼女たちが穏やかながらも必死の交渉を続けているとふっとキャビンアテンダントの立っている後ろのカーテンが開いた。
「・・・・・・・・・・」
「少しだけでよかったらお話しましょうか。」そこに微笑んで立っていたのはイ・ビョンホンに間違いなかった。
「・・・・・」言葉なく強く頷く4人。
かくして深夜、四人は映画俳優イ・ビョンホンに独占インタビューすることとなった。


「・・・・・・・」緊張のあまり沈黙が流れる。
キャビンアテンダントの配慮で他の乗客の目に触れぬようビョンホンと四人のインタビューは狭いギャレーの中で進められた。
手を伸ばせば手が届くところに彼がいる・・・一同は自分達の置かれた奇跡的な状況をまだ信じることが出来ずにいた。
ビョンホンは緊張する彼女たちに向かってにこやかにゆっくりと英語で言った。
「今日は完全なプライベートの旅行ですので通訳がいませんが大丈夫ですか?」
「大丈夫だと思います。英語と簡単なハングルでしたらわかると思います。」lotusrubyが言った。皆、感激の顔で彼女を見つめた。
「そうですか。そりゃ良かった。あっ、それ」
彼はそういうとルビーの持っている手形を指差した。
「もしかして・・・・・ルビーさん・・ですか?」彼は数日前に会った大学生の母親の珍しいHNを覚えていた。
「Yes!Yes! I am his mother!」ルビーは興奮して言った。
「いやぁ~これはご縁ですね。」
彼はあまりの偶然に驚きながらも楽しそうに笑ってそういうと自分の想いについて語り始めた。
「韓流ブームが起こってからあまりにたくさんの方が応援してくださるのでなかなかファンの方たちと身近にお話しする機会がもてなくなってしまって実はとっても残念に思っているんです。今日皆さんにこうしてお会いできたのもご縁だと思いますので少しお話できればと思いますがこんな深夜ですし、皆さんの美容にも良くないのであまり長い時間はお付き合いできないのを許してくださいね。もし良ければ質問をひとつずつしていただいて僕がお答えするというのはいかがですか?」
「うんうん」やたらと頷く一同。
頷いてみたものの急に質問をひとつと言われたら緊張してしまってまったく何も浮かんでこない。
ビョンホンはそんな彼女たちを見て困ったような顔をしながらも微笑んだ。
彼女たちはそれぞれ必死に考えていた。
雑誌に載っているような質問ではなくて今、生で会ったからこそ聞ける質問・・・。
「・・・・・・・・・」
長い沈黙の後、タイムリミットが近づきつつあると悟ったmimiraが口火を切った。
「あの・・・・お仕事楽しんでますか?」単純な質問だがファンにとってはとても大切なこと。そんな想いを感じたのかビョンホンはとても嬉しそうに答えた。
「ありがとう。僕のこと心配してくれているんですね。はい。とっても楽しいですよ。段々今年の予定も決まりつつあるし、皆さんにお会いする機会も増えそうです。僕はいつでもどんな時でも「人生を楽しみたい」と思っていますから是非一緒に皆さんも楽しんでくれると嬉しいです。そうすると僕はもっと嬉しくなります。」
自分の想いを嬉しそうに語る彼はとても眩しかった。うっとりと見つめる一同。
「他には・・」ビョンホンに促され次に切り出したのはルビー。
「体調はどうですか?ちゃんとご飯召し上がってますか?」
母のような質問をするルビーにビョンホンは感激していた。
「あ~僕は恋人と母をたくさん持っているようなものなのですね。本当にありがたいです。僕の健康を心配してくださって。はい、ちゃんと食べてますよ。最近あんまりしっかり食べているので少し太りました。日本料理も美味しいですが韓国料理も美味しいので是非韓国に遊びに来て美味しいものいっぱい食べてみてください。本当は僕が作って皆さんにご馳走したいくらいです。」彼はそういうとケタケタと笑った。
子供のように笑う彼もとても可愛い。
Lotusrubyはそんな彼にちょっといたずらっぽい質問をすることにした。
「最近、メガネに凝っていらっしゃるようですが特にお気に入りなのはどんなメガネですか」
ビョンホンはフフッと笑った。
「そうなんですよ。以前から映画を観たり本を読んだりするときはメガネをかけていたんですが最近ファッションのアクセントとしてメガネを使うのに凝ってます。お気に入りなのは・・・。じゃあ、来月の初めにちょっとしたイベントがあるんですが、たぶん取材が入って僕がカメラに映ると思いますからそのときに今の一番のお気に入りのメガネをかけることにしますね。その時まで楽しみにしていてください。」
そういうとまた悪戯っぽく笑った。

最後に残ったkarin。じっくり考えて質問をした。
「今・・・・・・いい恋してますか?」
彼はストレートな質問にちょっと戸惑ったようだったがちょっと微笑みながら皆の目をしっかり見つめて言った。
「ええ、最高に幸せな、いい恋をしています。皆さん、応援してくれますか?」
ちょっと不安げだけれど信念に満ちた彼の幸せそうな顔を見て誰が「恋なんかしないでっ!」なんて言えるだろう。
四人は「もちろん」声をそろえてそう答えた。
その後四人が彼と握手をし、ハグしてもらってご満悦だったことは言うまでもない。

数日後、ルビーはネットで友人の結婚式に出席した彼の写真を観た。
「あ・・・・やっぱ太ってる。」ちょっときつそうな彼のスーツ姿を見てくすっと笑った。
Lotusrubyは一日税務署の室長としてメディアに久々に姿を現した彼を見ながらほくそ笑んでいた。
「ふ~~~ん。このメガネが一番のお気になんだ・・お揃にしようかな。」
Mimiraはファンクラブの会報を受け取りドームでのファンミーティングのお知らせを手にしていた。次回作も決まったらしい。
そして「人生を楽しみたい」と微笑んで語った彼の顔を思い出していた。

皆、前にも増して彼を身近に感じ、繋がっている感じがした。とても幸せな気分になった。




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